Hermes Agentの人格を一時的に切り替える|SOUL.mdを崩さない使い分け

Hermes Agentの人格を一時的に切り替える|SOUL.mdを崩さない使い分け

厳しいコードレビューを終えた直後に、同じ口調で初心者へ説明すると、正確でも近寄りがたい返答になります。逆に、普段の人格を書き換えるたびに設定ファイルを触ると、元の声へ戻しにくくなります。

Hermes Agent では、長く使う人格をSOUL.mdへ置き、その場だけの役割を/personalityで重ねられます。2026 年 9 月 11 日、Hermes Agent v0.21.0 の隔離環境でtechnicalへの切り替えとnoneへの復帰を確認しました。本番のSOUL.mdは変更していません。

前回完了時から今回完了後まで

前回の「Hermes AgentのTool Searchを試す」では、追加ツールの定義を必要な時だけ読む流れを確かめました。今回は、道具ではなく話し方の切り替えを扱います。

時点状態
前回完了時必要なツールだけを選んで実行できます
今回開始時作業ごとに口調を変えると、恒久的な人格まで編集しがちです
今回完了後SOUL.mdを保ったまま一時モードへ切り替え、noneで戻せます

/personalityをすでに使い、noneで基準へ戻せる場合は「使い分けを短い規則にする」まで飛ばせます。

なぜSOUL.mdを毎回書き換えないのか

SOUL.mdは Hermes インスタンスの主な人格です。公式仕様では、現在のHERMES_HOME直下から読み、システムプロンプトの最初の枠へ入ります。作業ディレクトリに同名ファイルを置いても、人格としては読みません。

このファイルには、口調、率直さ、判断の姿勢、避けたい表現など、会話をまたいで残したい内容が向いています。特定リポジトリのコマンドやデプロイ手順はAGENTS.md側の仕事です。

一方、家庭教師のように説明したい一時間や、技術レビューへ集中したい一セッションは一時的です。その都度SOUL.mdを書き換えると、変更理由と戻す地点が混ざります。私は基準の人格を固定し、短期の役割だけを overlay として重ねます。

用語を揃える

用語この回での意味
HERMES_HOME設定、人格、記憶、スキルを持つHermesインスタンスのhomeです
SOUL.md全体へ継続して使う、主な人格と話し方です
personalityteachertechnicalなど、一時的に選ぶ会話モードです
overlay基準の人格を削除せず、そのセッションへ追加する指示です
display.personality選択したpersonality名を保存する設定値です
nonepersonalityの選択を消し、基準の人格へ戻す指定です

人格が入る位置を分けて見る

Hermes はSOUL.mdだけで動くわけではありません。人格、ツール利用の案内、記憶、スキル、プロジェクト規約などを順に組み立てます。

[HERMES_HOME/SOUL.md]
  恒久的な人格


[ツール・Memory・Skills]
  能力と利用者の文脈


[AGENTS.md / .hermes.md]
  作業場所の規約


[/personality overlay]
  今回だけの話し方


       次の返答

/personalitySOUL.mdの代替ファイルではありません。公式ドキュメントは、SOUL.mdを基準の声、/personalityを一時的なモードとして分けています。

まず現在のモードを確認する

対話中の Hermes で、引数なしのコマンドを実行します。

/personality

利用できる personality の一覧と、現在選ばれている項目が表示されます。標準ではhelpfulconcisetechnicalcreativeteacherなどがあります。

一覧を先に見る理由は、名前を推測しないためです。設定へ存在しない名前を手入力するより、現在の版が提示する候補から選びます。

teacherとtechnicalを仕事で分ける

初心者向けに概念を順番に説明する場面では、次を入力します。

/personality teacher

設計レビューや障害調査で、技術的な精度と詳細を優先する場面では次へ切り替えます。

/personality technical

切り替え後は、同じ質問を繰り返して語尾だけを比べるより、実際の小さな仕事を 1 つ渡します。たとえば、teacherなら初心者向けの説明、technicalなら同じ構成の故障点レビューです。

personality を変えても、リポジトリの品質ゲートや公開承認は変わりません。話し方の overlay へ運用規約の代役をさせないことが大切です。

noneで基準の人格へ戻す

一時モードが終わったら、選択を明示的に消します。

/personality none

defaultまたはneutralでも同じ選択解除になります。私は、設定値と対応が見えやすいnoneを使います。変更は次のメッセージから効きます。

その後、もう一度一覧を開きます。

/personality

active な一時モードが消え、SOUL.mdを基準にした状態へ戻っていれば完了です。

本番設定へ触れずに保存値を確かめる

/personalityは対話画面のコマンドです。内部では、選択した名前がdisplay.personalityへ保存されます。保存と解除の動きを確認したい場合は、一時的なHERMES_HOMEで試せます。

次の検査は本番の~/.hermesを読み書きしません。最後に一時ディレクトリを削除します。

LAB="$(mktemp -d)"
HERMES_HOME="$LAB" hermes config get display.personality
HERMES_HOME="$LAB" hermes config set display.personality technical
HERMES_HOME="$LAB" hermes config get display.personality
HERMES_HOME="$LAB" hermes config set display.personality none
HERMES_HOME="$LAB" hermes config get display.personality
test -f "$LAB/SOUL.md" && printf '%s\n' 'SOUL=present'
rm -rf "$LAB"
printf '%s\n' 'cleanup=done'

2026 年 9 月 11 日の実行では、最初のgetは空行でした。その後の主要な出力は次の通りです。

✓ Set display.personality = technical in .../config.yaml
technical
✓ Set display.personality = none in .../config.yaml
none
SOUL=present
cleanup=done

.../config.yamlは、毎回異なる一時ディレクトリ部分だけを省略しています。technicalnoneが保存され、初回利用時にSOUL.mdも作られました。

この検査は、選択値の保存と解除を確認します。モデルが返す文章の品質までは判定しません。話し方は、実際の質問に対する返答も読んで評価します。

カスタム人格は繰り返す役割だけにする

毎週同じレビュー役を使うなら、agent.personalitiesへ独自の名前を追加できます。設定変更にはhermes config setを使い、設定ファイルの手編集は避けます。ただし、一度だけ使う長い指示まで登録すると、候補が増えて選びにくくなります。

私は次の境界で分けます。

続く期間置き場所
多くの会話で継続SOUL.md率直に答える、確認できない事実を断定しない
一つの作業やセッション/personality教師役、技術レビュー役、発想を広げる役
特定のrepositoryだけAGENTS.mdtest command、編集禁止パス、release手順
再利用する複数段階の仕事Skill調査、実装、検証、失敗時の戻り方

この表の期間が曖昧なら、まず/personalityで試します。数回使って定着した人格だけを設定へ昇格させる方が、基準の声を保ちやすいです。

使い分けを短い規則にする

一時モードは、目的と解除条件を一組にします。

初心者への説明を始める
  → /personality teacher
  → 実際の説明を1件確認
  → /personality none

技術レビューを始める
  → /personality technical
  → 指摘の具体性を確認
  → /personality none

この小さな手順なら、切り替えたまま翌日の会話へ持ち越す事故を減らせます。SOUL.mdの改稿は、数時間の役割ではなく、普段の人格そのものを変えたい時だけにします。

よくあるエラー

表示・症状主な原因対応
SOUL.mdを編集しても話し方が変わりません進行中のセッションが開始時の内容を持っています新しいセッションを始めて再確認します
repository直下のSOUL.mdが読まれません人格はworking directoryではなくHERMES_HOMEから読みますhermes config pathでinstanceを確認し、そのhomeのSOUL.mdを使います
technicalから戻したのに硬いままです選択解除後も、基準のSOUL.md自体が厳密な口調です/personalityでactive状態を確認し、基準の人格とは分けて評価します
projectのcommandを忘れますpersonalityへproject規約まで持たせていますcommandやパスをAGENTS.mdへ移します
毎回モードを戻し忘れます解除条件を決めていません作業終了時の手順へ/personality noneを含めます
独自personalityが一覧に出ません設定したinstanceと起動中のHERMES_HOMEが違いますhermes config pathで実際の設定先を照合します
noneへ戻しても同じセッション内の文脈が残りますpersonality解除は会話履歴を消しません文脈も分けたい場合は新しいセッションを開始します

基準の声は残し、役割だけ借りる

SOUL.mdを一日の仕事ごとに書き換える必要はありません。恒久的な人格をそこへ残し、説明、レビュー、発想などの短期役を/personalityで重ねます。

今回の隔離検査では、display.personalitytechnicalへ変わり、noneへ戻ることを確認しました。本番の設定とSOUL.mdは触っていません。

私は人格を増やす前に、戻り方を決めます。基準へ戻れる一時モードなら、仕事に合わせて話し方を変えても、Hermes らしさを失いません。

一次情報

出典確認した内容
Hermes Agent Personality & SOUL.mdSOUL.mdの読込場所、prompt内の位置、built-in personality、解除方法
Use SOUL.md with Hermes恒久的な人格と一時overlayの使い分け、編集後のセッション再開
Which File Does What?SOUL.md、Memory、project contextの役割と読込時点
Slash Commands ReferenceCLIとmessagingで使うslash commandの中央registry
NousResearch/hermes-agent公式source repositoryとversion確認先

実機検査は Hermes Agent v0.21.0 で行いました。personality の候補や表示は導入版で変わるため、引数なしの/personalityで現在の一覧を確認します。

※2026 年 8 月 14 日から 9 月 10 日までの GSC 上位 100 query では、hermes agent 人格が 1 impression、平均掲載順位 8 でした。この検索意図と「AI エージェントを記憶、人格、技へ分ける」という関心を、一時的な人格切り替えの実務へつなげています。

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