MacのNVRAM(PRAM)リセット方法【Intel Mac・Apple Silicon Mac対応】

Mac の調子が悪いときに試す定番のトラブルシューティング、NVRAM リセットについて解説します。Intel Mac と Apple Silicon Mac(M1、M2、M3、M4 チップ搭載)では方法が異なりますので、それぞれ詳しく説明します。

長年 Mac を使っている方にとっては、昔から「PRAM リセット」として知られているこの操作ですが、現在は「NVRAM リセット」と呼ばれています。本記事では、その違いも含めて解説していきます。

NVRAMとは

NVRAM(Non-Volatile Random-Access Memory)は、Mac が電源オフの状態でも保持する設定情報を格納する小さなメモリ領域です。「Non-Volatile」とは「不揮発性」という意味で、電源を切っても情報が消えないことを表しています。

NVRAM には以下のような情報が保存されています。

  • 音量設定として、スピーカーの音量レベル。
  • 画面解像度として、ディスプレイの解像度設定。
  • 起動ディスクとして、どのディスクから macOS を起動するか。
  • タイムゾーンとして、時刻の設定に使用する情報。
  • カーネルパニック情報として、最近のクラッシュに関する情報。
  • 言語設定として、システムの表示言語。
  • オーディオ情報として、入出力デバイスの設定。

これらの設定情報が破損したり不整合が発生したりすると、Mac の動作に様々な問題を引き起こすことがあります。

NVRAMとPRAMの違い

古くから Mac を使っている方は「PRAM リセット」という言葉に馴染みがあるかもしれません。PRAM(Parameter RAM)は、PowerPC 時代の Mac で使われていた用語です。

2006 年以降、Mac は Intel プロセッサを採用し、PRAM は NVRAM に置き換えられました。しかし、リセット方法は基本的に同じで、押すキーも「P」「R」が含まれているため、今でも「PRAM リセット」と呼ぶ人もいます。

現在の Apple 公式ドキュメントでは「NVRAM リセット」という表現が使われていますので、本記事でも NVRAM で統一します。

NVRAMリセットが必要な症状

以下のような症状が発生している場合、NVRAM リセットで解決する可能性があります。

起動時の問題として、Mac の起動が異常に遅い、起動時に「?」マークのフォルダが表示される、起動ディスクを選択する画面が毎回表示されるなどがあります。

ディスプレイの問題として、画面解像度が正しく認識されない、外部ディスプレイが正しく動作しない、画面の明るさ設定が保存されないなどがあります。

オーディオの問題として、音が出ない、音量設定が保存されない、スピーカーやヘッドフォンが正しく認識されないなどがあります。

その他の問題として、時刻がずれる、キーボードやトラックパッドの動作がおかしい、バッテリー残量が正しく表示されないなどがあります。

これらの症状は他の原因で発生することもありますが、NVRAM リセットは簡単に試せるトラブルシューティングなので、最初に試してみる価値があります。

Intel MacでのNVRAMリセット方法

2016年以降のIntel Mac

2016 年以降に発売された MacBook Pro や MacBook Air など、起動音が鳴らないモデルの場合の手順です。

  1. Mac をシステム終了する(スリープではなく終了)。
  2. 電源ボタンを押す。
  3. すぐに「option」「command」「P」「R」の 4 つのキーを同時に押し続ける。
  4. 約 20 秒間押し続ける。
  5. すべてのキーを離す。
  6. Mac が通常通り起動する。

ポイントとして、キーは電源を入れた直後に押し始めてください。遅すぎると効果がありません。4 つのキーを約 20 秒間押し続けることが重要です。リセット中、画面が点灯したり消えたりすることがありますが、これは正常な動作です。Apple ロゴが表示されて消える動作を 2 回確認できれば成功です。

2015年以前のMac

起動音が鳴るモデル(2015 年以前の Mac)の場合の手順です。

  1. Mac をシステム終了する。
  2. 電源ボタンを押す。
  3. 起動音(ジャーン)が鳴ったらすぐに「option」「command」「P」「R」を押し続ける。
  4. 2 回目の起動音が鳴るまで押し続ける。
  5. 2 回目の起動音を確認したらキーを離す。

この世代の Mac は起動音でリセットの完了を確認できるため、わかりやすいです。

T2チップ搭載Macの場合

2018 年以降の Intel Mac の一部には、T2 セキュリティチップが搭載されています。T2 チップ搭載 Mac でも、NVRAM リセットの手順は上記の「2016 年以降の Intel Mac」と同じです。

ただし、T2 チップ搭載 Mac では、FileVault が有効になっている場合、NVRAM リセット後に再度ログインが必要になることがあります。

T2 チップ搭載 Mac には MacBook Pro(2018 年以降)と MacBook Air(2018 年以降)があります。Mac mini(2018 年)、iMac(2020 年)、iMac Pro、Mac Pro(2019 年)も該当します。

Apple Silicon MacでのNVRAMリセット

Apple Silicon Mac(M1、M2、M3、M4 チップ搭載)では、手動で NVRAM をリセットする必要はありません。

従来のキーコンビネーション(option キー、command キー、P キー、R キーの同時押し)は、Apple Silicon Mac では機能しません。

なぜ手動リセットが不要なのか

Apple Silicon Mac は、起動プロセスが根本的に異なります。

自動テスト機能により、Apple Silicon Mac は起動時に自動的に NVRAM の整合性をテストします。自動リセット機能により、問題が検出された場合は自動的に NVRAM をリセットします。統合アーキテクチャにより、Apple Silicon では多くの設定が Secure Enclave で管理されており、従来の NVRAM の役割が変わっています。

そのため、ユーザーが手動で NVRAM をリセットする必要がなくなりました。

Apple Silicon Macでのトラブル対処法

Apple Silicon Mac で、Intel Mac で NVRAM リセットを試すような症状が発生した場合は、以下の手順を試してください。

まず、Mac を再起動してください。単純な再起動で多くの問題が解決します。Apple メニューから「再起動」を選択してください。

次に、シャットダウンして 30 秒待ってください。電源を切り、30 秒以上待ってから電源を入れ直します。これにより、一時的なハードウェアの問題をクリアできることがあります。Apple メニューから「システム終了」を選択し、電源が切れるまで待ち、30 秒以上経過してから電源ボタンを押して起動してください。

それでも解決しない場合は、セーフモードで起動してください。セーフモードで起動すると、キャッシュがクリアされ、多くの問題が解決されます。Mac をシステム終了し、電源ボタンを押し続けて「起動オプションを読み込み中」と表示されるまで待ち、起動ディスクを選択してから Shift キーを押しながら「セーフモードで続ける」をクリックしてください。

上記で解決しない場合は、macOS を再インストールしてください。リカバリモードから macOS を再インストールしてみてください。データは保持されます。Mac をシステム終了し、電源ボタンを押し続けて「起動オプションを読み込み中」と表示されるまで待ち、「オプション」から「続ける」を選択して「macOS を再インストール」を選択してください。

上記すべてを試しても問題が解決しない場合は、ハードウェアの故障の可能性があります。Apple サポートに相談してください。

NVRAMリセット後に確認すべき設定

NVRAM リセットを行うと、いくつかの設定が初期値に戻ります。リセット後は以下の設定を確認してください。

  • 音量を好みの音量に設定し直す。
  • 起動ディスクを「システム設定」から「一般」を開き「起動ディスク」で確認する。
  • タイムゾーンを「システム設定」から「一般」を開き「日付と時刻」で確認する。
  • 画面解像度を「システム設定」から「ディスプレイ」で確認する。
  • キーボード設定をカスタマイズしていた場合は再設定する。

自分のMacの種類を確認する方法

自分の Mac が Intel Mac か Apple Silicon Mac かわからない場合は、以下の手順で確認できます。

  1. 画面左上の Apple メニュー(りんごマーク)をクリック。
  2. 「この Mac について」を選択。
  3. 表示されるウィンドウで確認。

Apple Silicon Mac の場合は、「チップ」という項目があり、「Apple M1」「Apple M2」「Apple M3」「Apple M4」などと表示されます。

Intel Mac の場合は、「プロセッサ」という項目があり、「Intel Core i5」「Intel Core i7」などと表示されます。

おわりに

Intel Mac から Apple Silicon Mac への移行により、NVRAM リセットの手順も大きく変わりました。

まとめとして、Mac の種類ごとの NVRAM リセット方法を以下に示します。

Macの種類NVRAMリセット方法
Intel Mac(2015年以前)起動音後にoption、command、P、Rを2回目の起動音まで押す
Intel Mac(2016年以降)電源投入直後にoption、command、P、Rを20秒間押す
Apple Silicon Mac手動リセット不要(自動でテスト・リセットされる)

NVRAM リセットは、Mac のトラブルシューティングにおける基本的な手順の 1 つです。難しい操作ではないので、Mac の調子が悪いときはまず試してみてください。

ただし、NVRAM リセットはあくまでソフトウェア的な設定のリセットです。ハードウェアの故障や macOS の深刻な問題には効果がありません。問題が解決しない場合は、Apple Store の Genius Bar や正規サービスプロバイダに相談することをおすすめします。

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