MacのSMCリセット方法【Intel Mac・Apple Silicon Mac対応】

Mac の電源やスリープ、バッテリーなどに問題が発生した場合、SMC リセットで解決できることがあります。SMC は電源管理の中核を担う重要なコンポーネントで、ここに不具合があると様々なトラブルの原因となります。

Intel Mac と Apple Silicon Mac(M1、M2、M3、M4 チップ搭載)では対処法が根本的に異なります。それぞれ詳しく解説します。

SMCとは

SMC(System Management Controller)は、Intel Mac に搭載されている独立したチップで、Mac の電源関連の機能を制御しています。CPU とは別のプロセッサとして動作し、Mac がスリープ中や電源オフの状態でも動作しています。

SMC が管理している機能は多岐にわたります。

  • 電源管理として、電源ボタンの反応やシステムのオン・オフを制御。
  • バッテリー管理として、充電制御やバッテリー残量の算出を担当。
  • 熱管理として、ファンの回転速度制御や温度監視を担当。
  • スリープ制御として、スリープへの移行や復帰の管理を実施。
  • ディスプレイ管理として、蓋の開閉検知やバックライト制御を担当。
  • センサー管理として、環境光センサーやモーションセンサーを制御。
  • LED の制御として、スリープインジケータや充電ランプを管理。
  • キーボードバックライトの制御を担当。
  • ポート管理として、USB や Thunderbolt などのポート電源を制御。

SMC に問題が発生すると、これらの機能が正常に動作しなくなります。

SMCリセットが必要な症状

以下のような症状がある場合、SMC リセットで解決する可能性があります。

電源に関する問題として、電源ボタンを押しても Mac が反応しない、電源が入っているのにディスプレイが真っ暗なまま、電源が勝手に落ちる、電源アダプタを接続しても充電が始まらないなどがあります。

スリープに関する問題として、蓋を閉じてもスリープしない(ノートブック)、蓋を開けても画面が点灯しない、スリープから復帰しないなどがあります。予期せずスリープに入る症状も該当します。

バッテリーに関する問題として、バッテリーが正しく充電されない、バッテリー残量の表示がおかしい、MagSafe LED が正しく点灯しないなどがあります。「バッテリーの交換修理」警告が誤って表示される症状も該当します。

ファン・温度に関する問題として、ファンが常に最高速で回転し続ける、負荷がないのに Mac が異常に熱い、ファンがまったく回転しないなどがあります。

その他の問題として、キーボードバックライトの不具合や環境光センサーの誤動作があります。USB や Thunderbolt ポートの認識不良、ターゲットディスプレイモードの動作不良なども該当します。

SMCリセットの前に試すこと

SMC リセットを行う前に、以下の基本的なトラブルシューティングを試してください。

まず、Mac を再起動してください。多くの問題は単純な再起動で解決します。

次に、すべてのアプリケーションを終了してみてください。アプリケーションが原因でファンが高速回転している可能性があります。アクティビティモニタで CPU 使用率を確認してください。

また、macOS をアップデートしてください。ソフトウェアのバグが原因の可能性があります。「システム設定」から「ソフトウェアアップデート」で確認できます。

さらに、NVRAM リセットを試してください。SMC リセットより先に NVRAM リセットを試すことを Apple は推奨しています。NVRAM リセットについては別記事を参照してください。

Intel MacでのSMCリセット方法

SMC リセットの手順は、Mac のモデルによって異なります。

T2チップ搭載Mac(2018年以降)

T2 セキュリティチップを搭載した Mac では、SMC リセットの手順が新しくなっています。

対象モデルは MacBook Pro(2018 年以降)と MacBook Air(2018 年以降)です。Mac mini(2018 年)、iMac(2020 年)、iMac Pro、Mac Pro(2019 年)も該当します。

まず、シンプルな方法(方法 1)を試してください。

  1. Mac をシステム終了する(Apple メニューからシステム終了を選択)。
  2. 電源ボタン(Touch ID ボタン)を 10 秒間押し続ける。
  3. 電源ボタンを離す。
  4. 数秒待つ。
  5. 電源ボタンを押して Mac を起動する。

この方法で問題が解決しない場合は、キーコンビネーションを使う方法(方法 2)を試してください。

ノートブック(MacBook Pro や MacBook Air)の場合は以下の手順です。

  1. Mac をシステム終了する。
  2. 内蔵キーボードで左側の「Control」キー、左側の「Option」キー、右側の「Shift」キーを 7 秒間押し続ける。
  3. 7 秒経過後も 3 つのキーを押したまま、電源ボタン(Touch ID)も押す。
  4. 4 つのキーすべてを合計 7 秒間押し続ける(計 14 秒間押していることになる)。
  5. すべてのキーを離す。
  6. 数秒待ってから電源ボタンを押して Mac を起動する。

注意点として、この操作中に Mac が一度起動して終了することがありますが、正常な動作です。また、外付けキーボードではなく、内蔵キーボードを使用してください。

デスクトップ Mac(T2 チップ搭載)の場合は以下の手順です。

  1. Mac をシステム終了する。
  2. 電源コードを抜く。
  3. 15 秒待つ。
  4. 電源コードを接続する。
  5. 5 秒待つ。
  6. 電源ボタンを押して Mac を起動する。

T2チップ非搭載のノートブック(バッテリー内蔵型)

2009 年から 2017 年頃の MacBook Pro や MacBook Air など、バッテリーが内蔵されているモデルの場合は以下の手順です。

  1. Mac をシステム終了する。
  2. 内蔵キーボードで左側の「Shift」キー、左側の「Control」キー、左側の「Option」キーを押しながら電源ボタンを 10 秒間押し続ける。
  3. 10 秒後、すべてのキーを離す。
  4. 電源ボタンを押して Mac を起動する。

ポイントとして、3 つのキーはすべてキーボードの左側にあるものを使います。MagSafe 電源アダプタを接続している場合、SMC リセット中に LED の色が変化します。これはリセット成功の証拠です。

T2チップ非搭載のデスクトップMac

iMac、Mac mini、Mac Pro など、デスクトップタイプの Mac の場合は以下の手順です。

  1. Mac をシステム終了する。
  2. 電源コードを抜く。
  3. 15 秒待つ。
  4. 電源コードを接続する。
  5. 5 秒待つ。
  6. 電源ボタンを押して Mac を起動する。

シンプルな手順ですが、15 秒間しっかり待つことが重要です。

Apple Silicon Macの場合

Apple Silicon Mac(M1、M2、M3、M4 チップ搭載)には SMC が存在しません。そのため、SMC リセットという操作自体ができません。

なぜSMCが存在しないのか

Apple Silicon Mac では、従来 SMC が担当していた機能がすべてメインの Apple Silicon チップに統合されています。電源管理、熱管理、バッテリー管理、センサー管理はすべて M1、M2、M3、M4 チップ内で処理されるため、別途 SMC チップを搭載する必要がなくなりました。

この統合により、電源関連の問題は通常、再起動やシステムの完全シャットダウンで解決できるようになっています。

Apple Silicon Macでの電源トラブル対処法

Intel Mac で SMC リセットを試すような症状が Apple Silicon Mac で発生した場合は、以下の手順を順番に試してください。

まず、Mac を再起動してください。最も基本的な対処法です。Apple メニューから「再起動」を選択してください。

次に、強制再起動を試してください。通常の再起動ができない場合は、電源ボタンを 10 秒間押し続けて Mac の電源を切り、数秒待ってから電源ボタンを押して起動してください。

それでも解決しない場合は、シャットダウンして待ってください。Apple メニューから「システム終了」を選択し、電源が切れたことを確認してから 30 秒から 1 分間待ち、電源ボタンを押して起動してください。30 秒以上待つことで、システム内の一時的な状態がクリアされます。

ノートブックの場合は、電源アダプタを外して放電することも試してください。システム終了してから電源アダプタを外し、5 分間放置してから電源アダプタを接続し、電源ボタンを押して起動してください。

セーフモードで起動することも有効です。Mac をシステム終了し、電源ボタンを押し続けて「起動オプションを読み込み中」と表示されるまで待ち、起動ディスクを選択してから Shift キーを押しながら「セーフモードで続ける」をクリックしてください。セーフモードでは、キャッシュがクリアされ、最小限の機能拡張のみが読み込まれます。

macOS を再インストールすることも検討してください。Mac をシステム終了し、電源ボタンを押し続けて「起動オプションを読み込み中」と表示されるまで待ち、「オプション」から「続ける」を選択して「macOS を再インストール」を選択してください。データは保持されますが、念のためバックアップを取っておくことをおすすめします。

Apple Diagnostics でハードウェアの問題を診断する方法もあります。Mac をシステム終了し、電源ボタンを押し続けて「起動オプションを読み込み中」と表示されるまで待ち、Command キーと D キーを押すと診断が実行されます。エラーコードが表示された場合は、メモしておいて Apple サポートに伝えてください。

上記すべてを試しても問題が解決しない場合は、ハードウェアの故障の可能性があります。Apple Store の Genius Bar や正規サービスプロバイダに相談してください。

SMCリセット後の確認事項

SMC リセットを行った後は、以下の点を確認してください。

時刻設定については、SMC リセット後にずれることがあります。「システム設定」から「一般」を開き「日付と時刻」で確認してください。

スリープ設定については、タイミングの変更を確認してください。

省エネルギー設定については、バッテリー使用時と電源接続時の設定を確認してください。

ファンの動作については、正常に動作しているか確認してください。

自分のMacの種類を確認する方法

SMC リセットの方法を選ぶために、自分の Mac の種類を確認しましょう。

チップの種類を確認するには、画面左上の Apple メニューをクリックし、「この Mac について」を選択してください。

「チップ」に「Apple M1」「Apple M2」などと表示されれば Apple Silicon Mac です。「プロセッサ」に「Intel」と表示されれば Intel Mac です。

T2 チップの有無を確認する場合(Intel Mac の場合)は、Apple メニューから「この Mac について」を選び、「システムレポート」をクリックして、左側の「コントローラ」を選択してください。「Apple T2 セキュリティチップ」の表示があれば、T2 チップ搭載 Mac です。

おわりに

Intel Mac から Apple Silicon Mac への移行により、トラブルシューティングの方法も大きく変わりました。

まとめとして、Mac の種類ごとの SMC リセット方法を以下に示します。

Macの種類SMCリセット方法
Intel Mac(T2チップ搭載)電源ボタン10秒押し、またはキーコンビネーション
Intel Mac(T2チップ非搭載・ノート)Shift、Control、Option、電源を10秒間
Intel Mac(デスクトップ)電源コードを抜いて15秒待つ
Apple Silicon MacSMCなし(再起動や完全シャットダウンで対処)

SMC リセットは、Intel Mac の電源関連トラブルに対する有効な対処法です。手順は少し複雑ですが、データが失われることはありませんので、電源関連の問題が発生したら試してみてください。

問題が解決しない場合や、頻繁に同じ問題が発生する場合は、ハードウェアの故障の可能性があります。Apple Store やサポートに相談することをおすすめします。

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